WEBアプリをデプロイする-AWSからマネージドサービスまで

ローカル環境でFlaskアプリを開発し、自分のPCで動作確認することは簡単です。しかし、これをインターネットに公開し、他のユーザーに利用してもらうにはどうすればいいでしょうか?この記事では、ローカルから公開までの基本的な流れと選択肢を解説します。


ローカルでの動作確認

ローカル環境では、以下のように自分のパソコンをサーバーとして動かし、アプリを動作させます:

  1. Flaskアプリを起動
    FlaskサーバーをMacOSやWindowsで稼働させます。
    flask runを実行すると、ローカルアドレス(例: http://127.0.0.1:5000)にアクセスすることでアプリに接続できます。
  2. ローカル環境の構成
    ローカル環境では、以下の条件が整っている必要があります:
  • オペレーティングシステムが稼働している。
  • Flaskサーバーが起動している。
  • ローカルネットワーク内でアクセス可能な状態。

ネットワーク越しにアクセス可能にする方法

ローカル環境のままでは、他のユーザーがインターネットを通じてアクセスできません。ネット上でアプリを公開するには、Flaskサーバーを外部からアクセス可能な状態にする必要があります。主な方法は以下の3つです:

1. クラウドサービスを利用する

クラウドサービスを使うと、自分でサーバーを構築する手間を省いて、簡単にアプリを公開できます。

  • AWS(Amazon Web Services)
    • 世界最大規模のクラウドプラットフォーム。
    • EC2(仮想サーバー)やElastic Beanstalk(アプリ展開用)を利用可能。
  • Azure(Microsoft Azure)
    • Microsoft提供のクラウドサービス。
    • Webアプリケーション用のリソースが豊富。
  • Google Cloud Platform(GCP)
    • Google提供のクラウドインフラ。
    • App EngineでFlaskアプリを簡単にデプロイ可能。

2. フルマネージドサービスを利用する

フルマネージドサービスを使うと、インフラ管理が不要で、手軽にアプリを公開できます。

  • PythonAnywhere
    • Python専用のホスティングサービス。
    • シンプルなWebアプリには最適。
  • Heroku
    • 開発者に人気の高いプラットフォーム。
    • 簡単にFlaskアプリをデプロイできるが、無料枠に制限あり。
  • Render
    • 手頃な価格で利用できる新しいホスティングサービス。
    • 簡単に設定ができ、Herokuの代替として注目。

3. オンプレミスサーバーを利用する

自宅に物理サーバーを設置する「オンプレミス」は、最も手間がかかる方法です。しかし、コントロール性が高く、カスタマイズ可能な環境を求める場合に適しています。

  • 必要な準備
    • 高速で安定したインターネット回線。
    • サーバー機器。
    • セキュリティ対策(ファイアウォールやSSL設定)。

この方法は、運用コストや知識が必要になるため、基本的にはヘビーな用途向けです。

自宅にサーバーを置くと床が抜けるかも…

どの方法を選ぶべきか?

選択肢は多岐にわたりますが、目的とリソースに応じて適切な方法を選びましょう:

  • 手軽さを重視する場合
    → PythonAnywhereやHerokuを選択。
  • スケールやカスタマイズ性を求める場合
    → AWSやGCPなどのクラウドサービス。
  • 完全に独自の環境を構築したい場合
    → オンプレミスサーバーを検討。

まとめ

ローカルで稼働するFlaskアプリをインターネット上に公開するには、クラウドサービスやホスティングプラットフォームを活用するのが最も効率的です。それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、自分の用途やスキルレベルに合った選択肢を見つけてください。

次回から、AWSでサーバー構築を解説していきます!