個人病院で使えるAI事例とは?開業医の苦労を軽減する最新情報

個人病院は、患者さんを診るだけでなく、従業員の勤怠管理、診療報酬の計算、会計処理など、業務内容が多岐に渡ります。しかし、AIが業務の一部を代替することで、お医者さんは患者さんを診ることに集中できます。今回は開業医の皆様にお役立ていただけるAIサービスを紹介します。

この記事では

もし個人病院の全ての業務に、AIを導入したらどうなるのか?

シーンごとにAIを導入した様子を紹介いたします。

病院業務:AIをできる限り導入するとどうなるか

予約シーン

予約シーンでAIを導入するとどうなるでしょうか?現状では予約の電話を取るのは受付の方の仕事になっています。そうなると、受付の窓口に来ている患者さんの対応をしている間に、予約の電話がやってくることになります。

・窓口対応をしている間に、予約の電話がやってくる
・受付業務でお客さんを待たせたまま電話を取らなくてはならない
・お客さんを待たせたまま、電話を取る

こんなシーンが想像できます。こうなると、窓口の患者さんを待たせるだけでなく、受付の方は両方の対応に追われてしまい、電話でも、窓口でもスムーズな体験をしていただくことができなくなってしまうかもしれません。

A female Japanese medical receptionist in a clinic with office dress is taking a phone call while a patient is waiting at the reception desk. She looks apologetic and is struggling with the work spread out on her desk in front of the patient.

ではAIを導入するとどうなるでしょうか?
例えば「病院特化のAI電話 – Dr.JOY」では、AIが予約電話の対応をしてくれます。

サービス名サービス紹介ページ
病院特化のAI電話 – Dr.JOY
AIが電話対応。
会話の内容はPC画面で一覧表示。
主訴を聞くことが出来る。詳しくはHPより。


Dr.JOYでは、予約に関する電話の対応をしてくれます。
今のAIは、お客さんが話している内容を正確に聞き取って、話している内容に応じた応答を返すことができます。

こうして、AIが患者さんの主訴を尋ねることができます。さらに、電話の内容はPCの画面上でいつでも見ることができます。実際の導入例では、患者さんの診察券番号と予約時間を聞き、予約の受付に一役買っています。このほかにも、予約シーンで活用できるサービスを一部ご紹介します。

サービス名

診療予約システム「メディカル革命 byGMO」


LINEで病院を予約。オンライン診療システム。電話自動応答。キャッシュレス事前決済。全て揃った製品です。


来院・受付シーン

次に、来院・受付シーンでAIを導入したらどうなるかをご紹介します。
現状では、患者さんが来院したら受付窓口にやってきて診察券を渡します。
初診の患者さんや、久しぶりに来られた患者さんには、問診票を渡して、症状を紙に書いてもらうことになります。この場合に生じる業務は、

まず、患者さんが問診票を書き終わるまで待つ
問診票を受け取ったら、内容をチェックして、ちゃんと書かれているか確認する
問診票の内容を診察中のドクターに知らせる。
そのため、紙に書いてもらった問診票を渡すか、電子カルテに内容を書いておく

このように、問診票の受け渡しだけでもチェックや伝達の工程があるのがわかります。

これを、AIが入るとどうなるでしょうか?こちらで紹介するのはユビーAI問診です。

サービス名画像

UbieAI問診


ユビーAI問診は、患者様にWEB問診をご利用いただくことで、これまで紙問診で行ってきた業務が劇的に軽減され、患者様ひとりひとりと向き合う時間に充てることができるようになります。

ユビーAI問診は、スマホで問診票を記入できるサービスです。来院前に、スマホで問診票に答えてもらうことで、受付後の問診票記入の手間を省くことができます。さらに、スマホ画面上で、症状の正確な内容を入力してもらえるので、記入漏れをなくすことができます。また、問診票の内容はすぐに電子カルテに共有されるので、ドクターへの伝達がスムーズです。ユビーAI問診を導入したクリニックでは、「初診の患者さんが入室する前に、スムーズに確認できるようになった」との事例が報告されています。

問診シーン

問診シーンでAIを導入したらどうなるでしょうか。現状、ほとんどのクリニックではドクターが患者さんから病状を聞き出し、電子カルテに問診内容を入力しています。こちらの場合に生じる業務は

前後に患者さんが並ぶ中、診察の速さを意識しなければいけないが、現在目の前にいる患者さんの病状を聞き取る
症状の判断の内容を記録するため、症状を聞き取りながら、電子カルテに内容を記録する
症状によっては、レントゲンなど、医療機器を使って検査する判断を下す
レントゲンの検査中は他の患者さんを診察する
中には、インタビューが困難な患者様もいる

このように、問診はドクターの花形となる業務です。患者さんの話を聴きながら、問診の内容を電子カルテに記録する、マルチタスクな業務でもあります。ではこの業務に、AIを導入するとどうなるでしょうか?

サービス名画像

ユビーAI問診

・紹介状の作成
・退院サマリの作成
・電子カルテへの診療記録の文章作成
など、手入力作業負担を軽減し、働き方改革を促進

医師は、タブレットで入力されたデータを確認することができます。
問診中は、文字起こしソフトが起動しており問診内容を文字起こししてくれます。
医師が必要と判断した内容は随時ご入力できます

画像診断シーン

レントゲン、画像をAIスキャンにかけて、病気になりそうな箇所を特定します。
これを医師がチェックすることで診断します。

画像診断シーンで導入したAI

サービス名

gastroAI-model G

「gastroAI™ model-G」は、胃領域を対象にした内視鏡画像診断支援ソフトウェアです。内視鏡検査中に、上皮性腫瘍を疑う病変候補の画像から生検等追加検査を検討すべき病変候補の有無を表示し、病変位置の候補を矩形で示すことで、医師への注意喚起と共に診断に関する参考情報を提示します。

CAD EYE

CAD EYEとは富士フイルムの内視鏡診断支援機能のブランド名称です。膨大な臨床データから深層学習(Deep Learning)を活用して開発。内視鏡検査における病変の検出と鑑別をサポートします。

EIRL

EIRL Cloudは、医師の画像診断を支援するクラウドサービスです。
医師の読影をAIがサポートすることで、より安心できる医療の提供に寄与します。

ただし、画像診断は完璧に病相を見分けられるわけではありません。
正確な判断には医師の判断が必要です。

処方・治療内容シーン

薬、栄養指導の内容を診断結果から候補を提案します
医師が判断して処方箋、栄養指導の内容を決めます
提示された候補の中から選べるため、迅速な診断が容易になります
また、紹介状の下書きはAIが書きます。

処方・治療内容シーンで導入したAI

サービス名 初期費用 月額料金 主な機能 画像
おいしい健康 記載なし 記載なし – AIによる献立提案
– 栄養管理アプリ
– 医療施設との連携
Kakaris 記載なし 記載なし – 療養計画書の簡単作成
– 生活指導資材の作成
– 患者の生活サマリーレポート自動作成
– 1万品以上の管理栄養士レシピ提供

終了・会計処理・次回予約シーン

治療内容が確定し次第、会計処理に移ります。
窓口だけでなく、square決済などを利用してオンライン決済を選択できます。
処方箋は、オンラインで指定の薬局に送られます。
次回予約は、窓口からも、インターネットからも行えます。

終了・会計処理・次回予約シーンで導入したAI

サービス名

Bee診察予約

オンライン予約
– 予約管理
– 患者情報管理

Emidel えみでる

– 24時間自動予約受付
– 予約管理
– 患者情報管理

ヨヤクル

– オンライン予約
– 予約管理
– LINEとの連携

 

オンライン診療シーン

オンラインで診療を行うことができます。
問診と同じフロー

オンライン診療シーンで導入したAI

サービス名

【医師向けシェアNo.1】CLINICS(クリニクス) オンライン診療システム| 株式会社メドレー

・患者がCLINICSアプリから診察予約が可能
・事前問診に対応
・キャッシュレス決済でスムーズな会計が可能
・保険証画像や検査結果の送付などファイルの送受信が可能

CURON

”直感的で操作しやすいインターフェイスは、スタッフにも患者さんにも受け入れられやすいです。”
リーレクリニック大手町 院長・片山泰輔先生

オンライン診療 ポケットドクター – スマホで遠隔診療・健康相談(ポケドク)

– オンライン診療
– 健康相談
– ヘルスケア機器連携

YaDoc

オンラインで診察や服用指導を受けられ、薬は自宅へ配送してもらえます。ZoomやMicrosoft Teamsなどを利用すれば、三者通話での診察も可能です。スマートウォッチで測定したデータを、医師と共有することも可能です。

LINEドクター

– LINE通話での診察
– 処方・薬の配送
– LINE Pay決済

業務終了後シーン

レセプト点数チェック
診療点数のヌケモレをAIソフトがスキャンします
ヌケモレがありそうなところははっきり示し、医師の指導を仰ぎます

業務終了後シーンで導入したAI

サービス名 主な機能

DX Care

– レセプトチェック
– 電子カルテ連携
– クラウド型システム

べてらん君collaboration Plus

– レセプトチェック
– 査定対策
– 算定支援

会計、税務、健康保険の計算シーン

受け取った請求書は全てオンラインデータにします。
支払いが直近で必要なものを判定するソフトウェアがあります。

会計、税務、健康保険の計算シーンで導入したAI

病院事務の会計ソフト

サービス名 主な機能

クロンスマートパス

– AIクイック会計
– 電子処方箋対応
– キャッシュレス決済

クリニックと共に成長する医事コンピューター Medicom-HRf core | メディコム | ウィーメックス株式会社(旧PHC株式会社)

– 医事一体型電子カルテ
– 周辺機器データ連携
– クラウド活用

 

まとめ

今回は、クリニックにご利用いただける、AIやクラウドのシステムを紹介しました。
クリニック業務は、会計の算定や受付対応など、患者様を看られる以外にも考えることが多くあることと思います。
その際に、ITシステムをご利用して、医業にご集中いただける環境づくりをサポートするのが私たちの役割です。
ここにあげたシステムは一例です。AIを医療現場にご導入して、業務の補助なりますことを願っております。
benelopでは、AIご導入のご相談をいつでもお待ちしております。