nginxは、サーバーの負荷を効率的に分散する仕組みを提供するWebサーバーおよびリバースプロキシサーバーです。本記事では、nginxの基本的な仕組みと、その設定方法について説明します。
サーバー負荷を分散する仕組み
nginxでは、複数のサーバーをまとめて一つのグループ(upstream)として扱うことができます。これにより、負荷が一つのサーバーに集中するのを防ぎ、複数のサーバーで分散処理を行えます。
以下の設定例を見てみましょう。
upstreamの設定
以下の設定では、app1
という名前で複数のサーバーをグループ化しています。
http {
upstream app1 {
server 192.168.1.10:8080;
server 192.168.1.11:80;
server 192.168.1.12:8080;
}
server {
listen 80;
location / {
proxy_pass http://app1;
} こうしとけば、upstreamのどれかにいく
}
}
upstream app1
: サーバーグループの名前を指定します。server <IPアドレス>:<ポート>
: 各サーバーのアドレスとポート番号を指定します。
リクエストの振り分け
クライアントからのリクエストは、以下のようにプロキシを介してグループ化されたサーバーへ振り分けられます。
server {
listen 80;
location / {
proxy_pass http://app1;
} こうしとけば、upstreamのどれかにいく
}
listen 80
: サーバーが外部から受け付けるポートを指定します。proxy_pass http://app1
: グループ化されたapp1
にリクエストを転送します。
動作の流れ
- 外部からポート
80
にアクセス。 - nginxがリクエストを受け取り、
proxy_pass
でapp1
内のいずれかのサーバーに振り分ける。 - サーバーがレスポンスを生成し、クライアントに返す。
例えば、次のようなサーバー構成がある場合:
192.168.1.10:8080
192.168.1.11:80
192.168.1.12:8080
アクセスが均等に分散されるため、一つのサーバーに負荷が集中することを防ぎます。
nginxのリバースプロキシの役割
nginxは単なる負荷分散ツールではなく、リバースプロキシとしても機能します。
proxy_passの仕組み
proxy_pass
ディレクティブは、nginxが外部リクエストの代理(プロキシ)として動作するために使用されます。これにより、nginxがクライアントとアプリケーションサーバー間の仲介役を果たします。
例えば:
:80番にアクセス -> アプリサーバへは以下のポート番号へ流す
192.168.1.10:8080;
192.168.1.11:80;
192.168.1.12:8080;
なので、flaskアプリケーションの場合は、192.168.1.10:8080; 192.168.1.11:80; 192.168.1.12:8080;
が、nginxからのリクエストを受け付けることになります。
以上のようにnginxがクライアントからのリクエストを受け取り、アプリケーションサーバーに転送します。これにより、以下の利点があります:
- クライアントが直接アプリケーションサーバーにアクセスするのを防ぐ。
- サーバー間で負荷を分散する。
- セキュリティと管理性を向上させる。
まとめ
nginxは、高負荷な環境でもスムーズなリクエスト処理を実現する重要なツールです。その負荷分散機能とリバースプロキシとしての役割を活用することで、システム全体のパフォーマンスと信頼性を向上させることができます。
次回は、さらに詳細な設定方法や応用例について解説します!