今回は、動画編集に活用するAIをご紹介します。AIを使って、字幕を文字起こししたり、AIの自動音声を使用したり、動画素材を加工することができます。これによって動画編集がラクチンになるサービスです。(※こちらで紹介するのは、動画生成AIの紹介ではではないのでご注意ください。)
目次
FlexClip
概要
FlexClipは、香港のPearlMountain Limited(パールマウンテン有限会社)が開発・運営している動画編集サービスです。YouTube, Windows, Google, amazon, Meta(Facebookを運営)など、米国の大手テック企業から信頼されています。その機能に迫っていきましょう。
特徴1. 6000以上のテンプレート
まず、FlexClipには6000以上の動画テンプレートが用意されています。テンプレートとは、動画編集のひな形です。動画制作で労力がいるのは、ゼロから素材を用意し、一貫したイメージを保ったまま、編集することです。FlexClipでは、初めからテンプレートが用意されており、お望みのイメージに適う動画を作ることができます。
例えば、こちらのビジネス動画用テンプレートでは、はじめから背景の都会の映像と、ビジネスシーンの映像が用意されています。本来、動画製作では自前で用意した素材以外は、他の動画素材サービスから集めなければいけません。しかし、FlexClipならあらかじめ動画素材とイメージが用意されたテンプレートを利用できます。
特徴2. AIツール
FlexClipのAI機能には以下のものがあります。
AI動画生成
文章を入力するだけで自動で動画を作成してくれます。こちらは、筆者が作成したブログ記事のURLを渡して動画生成した画面です。動画生成では、イメージ画像とAI音声、AI字幕がセットで生成されるので大変便利です。
AIスクリプト生成
こちらは、AIが台本を書いてくれる機能です。ここでは、「クリスマスのプロモーション動画を作りたい」と伝えています。
AI自動字幕起こし
これは、動画素材を与えることで字幕の文字起こしをしてくれます。
AIテキスト読み上げ
AI背景削除
画像データを与えます。人物のところだけトリミングして、背景画像は削除することができます。
AI動画翻訳
動画の音声を認識して、英語に翻訳してくれます。
特徴3. 豊富な素材
FlexClipには、Canvaのように豊富な素材が用意されています。動画の中で、イラスト素材や音声素材を使うことができます。
まとめ
FlexClipはAI機能をふんだんに盛り込んだ動画編集サービスです。AI機能は実用的なものばかりで、AI音声の精度が高く動画製作に重宝できます。また、AIツールを使わなかったとしても、画像の切り抜きや、イラスト素材、音声素材が豊富で、これだけでも動画編集が大きく楽になると思います。
Lumen5
概要
Lumen5は「ブランド発信動画をAIで簡単にしよう」と銘打っています。導入実績には、salesforce, pwc, KPMG, FinancialTimes, Mistubishi など大手企業が挙げられています。
Lumen5の特徴(Features)ページにはブログをビデオにする機能と、トーキングヘッドビデオ機能が挙げられています。それぞれの機能について解説していきます。
ブログtoビデオ機能
まず、「Blog to Video」機能です。これはブログ記事を動画にしてくれる機能です。ブログ記事やニュース記事などのテキストコンテンツを与えると、AIが判断して、自動で台本・動画用のスライド・音声を作ってくれます。これによって、テキストのみで、動画製作することが可能になっています。
以下はLumen5の Blog to Video機能の一覧です。
簡単なインポート: ブログ記事のURLを入力するか、テキストを直接コピー&ペーストすることで、コンテンツをLumen5に取り込みます
AIによる自動編集: Lumen5のAIは、入力されたテキストを解析し、適切なメディアファイル(画像や動画)を自動的に選択して、各シーンに配置します。
直感的なカスタマイズ: ドラッグ&ドロップでテキストの配置やフォントサイズの調整が可能で、初心者でも簡単に編集できます。
豊富なメディアライブラリ: 数百万点の映像、写真、音楽トラックが用意されており、これらを自由に組み合わせてプロフェッショナルな動画を作成できます。
この機能を活用することで、テキストから動画コンテンツを迅速に作成することが可能です。
Talking Head 機能
「Talking Head」機能は、自分自身の録画動画から、トランスクリプト(文字起こし)やキャプション(字幕)を自動生成してくれます。カメラに向かって、紹介風の動画を撮った際、それを編集するのに活躍します。
Talking Head機能では、キャプション(字幕)や、話し手の名前や肩書き表示、重要な情報の強調表示、カットアウェイ(別の映像への切り替え)などの視覚的な要素を簡単に追加できます。
さらに、録画中にプロンプター機能(話す内容を画面に表示させる)を使用してスクリプトを表示し、スムーズな進行をサポートしてくれます。これらの機能を活用することで、紹介用動画を簡単に作ることができます。
Google Vids
概要
Google Vidsは、Googleドライブにあるコンテンツを与えて、動画を生成してくれるサービスです。公式では、セールスのアイデアを書いたgoogleドキュメントとともに、「このドキュメントを使って、セールスのチュートリアル動画を作ってください」とAIに入力しています。
専門的なスキルがなくても、教育用資料、マーケティングコンテンツ、社内向けのトレーニング動画など、多様なビジネス用途に対応した動画を手軽に作成できます。google workspaceの一部機能なので、社内用の動画制作など、職場内で使う動画制作に向いているようです。
なお、利用にはGoogleのEnterpriseプランやBusinessプランなどの有料プランの加入が必要です。
( Google Vidsの対応状況 )
特徴
Googleドキュメントから動画生成:Googleドライブにあるドキュメントを設定して、動画を制作してくれます。
話す内容をAIが作成してくれる:AIが台本を作成してくれます
AIナレーション:人間が音声を入れない場合は、AIナレーションを選択できます。
動画素材:ストックから挿入用の動画素材を選べます。
Google Vidsはまだ実験的なサービスですが、社内向けの動画やマーケティング用の動画など、ビジネスに特化した動画制作の機能を備えています。Google Workspaceのプランに加入されている方、Googleのサービスを使ってビジネスをしている方にはおすすめできます。
あとがき
動画制作には、音声素材や字幕、エフェクト、BGMなどたくさんの要素が絡まっています。AIサービスを使えば、これらの内容をある程度自動で作ってくれるため、制作がかなり楽になります。
これらのAIツールを活用することで、動画編集の時間と労力を大幅に削減し、プロモーションやブランディングに適した動画を手軽に作成できます。ぜひ試してみてください!