YouTubeとAIの融合で実現する新時代のクリエイティビティとは?

YouTubeは、17年間にわたり進化を続け、多様性に満ちたクリエイティブプラットフォームへと成長しました。本記事では、YouTube の最新トレンドと AI がひらくクリエイティビティの可能性 | Brandcast Japan 2024 のなかで取り上げられていた、YouTubeが公式にAIを活用する部分について紹介します。

AIツールによるクリエイティブな支援

音楽分野でのAI活用

YouTubeは、音楽分野においてもAIを積極的に活用しています。

Googleが開発した音楽生成モデル「Lyria」を使用することで、即興のボーカルをサックスソロに変換するなど、新しい音楽制作の可能性が広がっています。また、日本ではCrypton Future MediaやUniversal Musicと協力し、生成AIの活用を進めています。

ここでは、即興で吹き込んだボーカルの音程が、サックスの音楽に変わる事例が紹介されました。これは、Googleの音楽生成AI Lyriaを利用したものです。

まず、このデモをご覧ください。このデモでは、即興のボーカルがサックスソロに変換されました。これは、Googleが音楽業界に提供している音楽生成モデル「Lyria」を使用して作られた楽曲の例です。日本では、Hatsune Mikuを開発したCrypton Future MediaやUniversal Musicとともに、音楽分野における生成AIの活用について議論を続けています。

YouTube の最新トレンドと AI がひらくクリエイティビティの可能性 | Brandcast Japan 2024

DreamTrack: 短尺動画のための音楽生成

AIツール「DreamTrack」は、短尺動画向けの音楽を自動生成する機能を提供しています。例えば、ユーザーがテキストを入力すると、その内容にマッチする背景音楽や歌詞、ボーカルをAIが生成します。これにより、動画制作者は自身のコンテンツをより効果的に演出できます。

この動画では、Charlie Puth(チャーリープース)を選び、テキストを入力すると、そのショート動画のムードに合った背景音楽、歌詞、ボーカルをAIが生成しました。

Dream Screen: 背景生成ツール

「Dream Screen」は、ショート動画用の背景を生成するAIツールです。Google DeepMindの最新技術である動画生成モデル「Veo」との統合により、よりリアルでクリエイティブな表現が可能になりました。このツールは、クリエイターのビジュアル表現の幅を大きく広げています。

責任あるAIの運用

YouTubeは、AIを活用してコンテンツの安全性を向上させています。2024年4月から6月の間に、AIを使用して84%のガイドライン違反動画が迅速に削除されました。さらに、生成AIを活用したコンテンツには、その使用を示すラベル表示が義務付けられています。これにより、視聴者がコンテンツの真実性を判断しやすくなります。

AIによりガイドライン違反コンテンツを削除するシステムのイメージ。背景には、モニター上のダッシュボードが表示され、違反動画が特定されている様子。

未来への展望

YouTubeは、AIの力を活用して、表現の自由を守りながら、より自由で創造的な世界を支援していく意向を明らかにしています。これからも、クリエイターが持つ可能性を最大限に引き出し、ユーザーにとって安全でインスピレーションを与えるプラットフォームであり続けるでしょう。